2022年6月14日(火曜日)
19時から、ドイツ最古の街として有名なトリーア(Trier)で、シュトゥットガルター・キッカーズの4部昇格戦があった。
この昇格戦は3つのチーム(それぞれ別の地域の5部リーグの2位)が1回ずつ対戦し、1チームのみが昇格する。ここまで
1試合目:Stuttgarter Kickers 3 – 0 TSV Eintracht Stadtallendorf
2試合目:TSV Eintracht Stadtallendorf 0 – 5 SV Eintracht Trier 05
という結果。
そして今日が最後の3試合目で、SV Eintracht Trier 05 対 Stuttgarter Kickers。
トリーア(Trier)は引き分け以上で4部昇格決定。
腑に落ちない仕組みはさておき、キッカーズが昇格するには勝利のみ。
シュトゥットガルトからトリーアまで約300kmの道のりを、ファン用のバスで行く。
集合時間は12時。
11時半には待ち合わせ場所に到着しバスを待つが、12時になっても肝心のバスが来ない。ソワソワしながら待っていると、12時半ごろ6台のバスが到着。
平日の昼間だが、多くのファンが休暇をとり現地に向かう。
それぞれバスに分乗し、ようやく出発。バスの中ではキッカーズにちなんだ歌が流れ、気分が高揚していく。そしてとうとうスタジアムがすぐそこ!というところで渋滞に巻き込まれ、最後の1時間をソワソワしながら過ごすことになった。
18時20分頃スタジアムに到着し、ゲートをくぐった頃には既にスタジアムいっぱいの観客。
19時に試合開始。
スコアが動かないまま、30分にキッカーズのキャプテンであるBlank選手が2枚目のイエローで退場。
痛い。痛いが、1人少なくなってもキッカーズはいいプレーができていた。
0対0のまま前半終了。
後半が始まったが、スコアボードが動かないまま時間だけが過ぎていく。
73分。2枚目のイエローで、キッカーズのZagaria選手が退場となる。
ああ、もうダメか・・。
0対0で、10人ならまだなんとかいけると思っていたけど、9人はさすがにムリか・・と、うなだれた。
いや、うなだれてどうする。
私達にできることは、彼らを信じて応援を続けること。と自分を奮い立たせる。
ところが87分、トリーアのゴールで1対0。
ゴールしたGarnier選手は、以前キッカーズでプレーしていた選手。
言葉に、ならない。
これまでか。と頭を抱えたが
93分、キッカーズのTunjic選手のゴールで1対1!
そのゴールで再び心が湧き上がった。
まだいける!いけるよ!と祈るようにピッチを見つめる。
でも、もう時間がなかった。
そして試合終了の笛が吹かれた。
トリーアのファン達は、昇格の喜びで続々とピッチへ駈け込んでいった。
その様子を眺めながら、途中であきらめそうになった自分が悔しくてしょうがなかった。
試合後、キッカーズの選手達が私達ファンの前にやってきた。
選手達は文字通り、最後の最後まで、あきらめることなく本当によく戦った。
だから私は涙をこらえていたけど、昇格を目指し、ここまで共に戦ってきた彼らの真っ赤な目を見たらもう、私は溢れ出る涙を止めることは出来なかった。
あと少し、本当にもうすぐそこだったけど、4部昇格に届かなかった。
【結果】
1試合目:Stuttgarter Kickers 3 – 0 TSV Eintracht Stadtallendorf(6月9日)
2試合目:TSV Eintracht Stadtallendorf 0 – 5 SV Eintracht Trier 05(6月11日)
3試合目:SV Eintracht Trier 05. 1 – 1 Stuttgarter Kickers at Moselstadion
観客数:8,300人(6月14日)
この結果、Trierが4部昇格
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2023年5月:
この昇格戦と、その前のリーグ最終節での幻の昇格劇。
この1年間、週末だけでなく、ふとした時に、何度この2戦を思い出したか分かりません。
その度に胸が締めつけられ、目頭が熱くなり、「今季こそは」と願った4部昇格。
今季を戦った多くの選手達が昨季と同じメンバーで、トリーアで涙を流した選手達。
再び昇格を目指し戦い、先日、シュトゥットガルター・キッカーズは
遂に4部昇格を果たしました。
あの時の涙が1年後、歓喜の笑顔に変わりました。