週末、それは天気予報通りの晴れ晴れとした清々しい朝でした。
スマホを見ると画面上部に、ドイツで使用している「コロナ警告アプリ」(Corona -Warn- App) の
小さいマークが現れたので、新着のお知らせでもあるのかと、何の疑いもせず
そのアプリを開きました。
このコロナ警告アプリは任意で、ドイツで6月に配信されたころからすぐにダウンロードして
使っています。
アプリを開くと、通常は、緑色の画面に「コロナ感染低リスク」と表示されているのですが、
この日は、真っ赤な画面に「コロナ感染高リスク」の文字がありました。
これは、過去14日以内に一定時間以上、一定の距離内にいた人が、その後
新型コロナウィルス陽性と診断された為、私にも高い感染リスクがあることを
知らせています。
これまでは緑色の画面以外見たことがなかったので、こうして赤の警告画面を見た時には
思わず、「このアプリ、ちゃんと機能してるんだ!」と一瞬感心した後、
じわじわと「コロナ感染高リスク」の文字が頭に入ってきました。
そして、急に顔がほてってきて、熱っぽく感じてきました。
いや、気のせいだろうと思ったものの念のために計ると、やっぱり平熱でした。
自分がこんなに単純だったことを発見しました。
アプリには、「可能なら自宅待機」などのガイドラインが記されていたため、
急遽予定をキャンセルし対策を調べました。
熱もなく無症状のため、この場合はとりあえずかかりつけ医に連絡すればいいとのことですが、
そうすると週明けの月曜日まで待って、そこからかかりつけ医の指示に従うことになります。
(「かかりつけ医」(Hausarzt)は、風邪や一般的な体調不良の場合に診てもらう、家庭医です。)
市が特設したコロナウイルス関連のウェブサイトを確認すると、それ以外の方法として、
このコロナ警告アプリで「コロナ感染高リスク」と表示された場合、
無料でPCR検査が受けられるとのことで、その場合、必ずネットで事前予約とのことでした。
ネット上で指示通りに進んでいくと、当日予約が出来ました。
そして早速、PCR検査会場に向かいました。
車専用のドライブスルーのレーンの他、徒歩及び自転車専用の大きいテントがありました。
私の前には検査を待っている人が1人いただけで、5分もしないうちに私の順番となりました。
ネットで予約した際に送られてきた確認メール、保険証、そしてコロナ警告アプリを提示した後、
検査が始まりました。
長い綿棒のようなものを、のどの奥、その後鼻の奥へ・・。
全く無痛の人もいれば、痛みが激しい人もいるとのですが、私は・・・
もう、受けるのは出来る限り遠慮したいです・・。
検査結果は、1日~4日後に判明とのこと。
このコロナ警告アプリとは別のアプリをダウンロードして、検査時に受け取ったQRコードを
そのアプリでスキャンして結果を確認するように、とのことでした。
検査後、自宅に帰ってから心がざわざわし、なんとなく体から力が抜けるような感じ
がしました。
コロナ警告アプリを使用しているとはいえ、実際に自分のところに真っ赤な警告が出るなんて、
全く思ってもいませんでした。
あれこれ思いを巡らせていると、この警告アプリを使っていなかったら、
秋晴れの今日、熱もなければコロナの症状も全くないので、何も知らないまま
普通に出かけられていたと思うと、正直、ほんの一瞬、「アプリ削除しちゃおっか。」
などという考えが頭をよぎりましたが、いやいや、そうじゃない・・・。
そうじゃなくて、感染の連鎖を止めるためにも、と思い直しました。
PCR検査を受けた翌日、まだ24時間も経っていないので検査結果は出ていないと思いつつも、
朝からQRコードをスキャンしてみました。
案の定、結果待ちとのメッセージが表示されました。
天気は良くないし気温は低いし、こんな日は、選べるなら、喜んで自分から家にいます。
でも、自分にその選択権がなくて、「家にいなければいけない」となると、急に
窮屈で、閉じ込められたような感覚になり、「外に出たい!」と思えてきます。
はやる気持ちをおさえ切れず、検査から23時間ぐらい経過した時にまたスキャンして
みましたが、変わらず結果待ちでした。(だから、まだ早いのに!)
検査から24時間と30分が経過、再度スキャンしました。
まだ結果待ちでした。
さて、何回も空振りをして少しソファで休んでいた時、スマホから「ピン!」という、
お知らせの音が聞こえました。
見ると、スマホ画面の上部に、検査結果を見るためにダウンロードしたアプリからの
新着メッセージあり、という表示がありました。
これはもう、検査結果の到着のハズ!と思い、急いでアプリを開き、
QRコードをスキャン、必要情報を入力して、ドキドキしながら待つこと一瞬、
画面上に表示されたのは、「陰性」の文字。
嬉しくて、何回もその文字を確認しました。
知らない間に誰かにうつしていなかったという安堵感と、
肩に乗っていた大きな重荷が一気に消えたような軽さを感じました。
そして緊張感と心配から解き放たれた感じがしました。
「いやいや、そんな大げさな」という感じがするかもしれませんが。。。
これまでもコロナ感染には気をつけていましたが、それでもきっと、どこかしら
自分の中で他人事だったことに気づきました。
それが突然、自分自身に感染の可能性大となったことで、こんなにも気持ちに
影響するとは思いも寄らなかったです。
これを機会に、改めて出来る限り気をつけようと気が引き締まったとともに、
いつどこで誰が感染してもおかしくないことを再認識しました。
*あくまで1個人の体験ですので、必要に応じて最新の正しい情報を
ご確認くださいますよう、お願いします。